盛る時代の眼の危険性 〜カラコン・まつ毛美容と眼科受診の重要性〜

「盛る」文化とカラコンの日常化
近年、若い世代を中心に「カラコン(カラーコンタクトレンズ)」を日常的に使用する人が急増しています。特に高校生・大学生では、SNSや動画配信文化の広がりにより、「目元を盛る」ことがファッションの一部となり、カラコンをメイク感覚で使用するケースが一般化しています。
現在では、ドン・キホーテなどでも手軽に購入できるようになり、「処方箋なし」で購入する若者も少なくありません。一方で、眼科の診療現場では、「手軽さ」の裏に潜む眼のリスクが問題視されています。
眼科の診療現場で見えてきたリスク
実際に医療現場に入って感じたのは、「コンタクトをつけたまま寝てしまった」という患者が非常に多いことです。
- コンタクトを装用したまま就寝
- 使用期限を超えて使い続ける
- ネット購入のみで眼科受診をしていない
- レンズケア不足
こうしたケースから、角膜炎や強い痛み、充血を引き起こし、慌てて眼科を受診する若年層が増えています。
「角膜内皮細胞」という一生ものの資産
特に重要なのが、「角膜内皮細胞」との関係です。角膜内皮細胞は、角膜の透明性を維持する重要な細胞で、一度減少すると基本的には再生しないと言われています。診療現場で内皮細胞検査を行う中でも、長時間装用や酸素透過性の低いレンズを使用している若年層で、内皮細胞数の減少が見られるケースがありました。
内皮細胞が減少すると、角膜がむくみやすくなり、視界がかすむ「角膜浮腫」などを引き起こす可能性があります。また、将来的な白内障手術や角膜疾患への影響も懸念されています。
まつ毛美容トラブルと「アイシャンプー」という選択肢
さらに最近では、「目元美容」によるトラブルも増えています。女性の間では、マツエク(まつ毛エクステ)やまつ毛パーマが一般化していますが、接着剤や薬剤による刺激で、角膜障害やアレルギー症状、ドライアイ悪化を引き起こすケースもあります。また、まつ毛の根元に汚れや皮脂が溜まることで、「眼瞼炎」やまつ毛ダニの原因になることもあります。
そこで近年、眼科医がSNSやInstagramなどでも発信し、注目されているのが「アイシャンプー」です。アイシャンプーとは、専用の洗浄液でまぶたやまつ毛の根元を洗浄するケア方法で、目元の清潔維持に役立つと言われています。
実際に一般女性へインタビューしたところ、
- 「アイメイク後の目のゴロゴロ感が減った」
- 「コンタクト装用時の乾燥感が軽減した」
- 「まつ毛パーマ後の違和感が少なくなった」
という声もあり、「美容」と「眼の健康」を両立したいという意識の高まりが見えてきました。
「美容」と「眼の健康」を両立するために
眼科医の中でも、「これからは治療だけでなく、予防医療の視点が重要」と考える動きが広がっています。近年の論文でも、コンタクトレンズの長時間装用や不適切使用による角膜障害リスク、眼瞼ケアの重要性が報告されています。
カラコンや目元美容は、正しく利用すれば日常を楽しむための大切なアイテムです。しかし、「高度管理医療機器」であることを忘れてはいけません。「見えているから大丈夫」ではなく、定期的な眼科検診を受け、自分の眼の状態を知ることが重要です。これからの時代は、「美容」だけでなく、「将来の眼を守る意識」が必要になっていくでしょう。
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